唇弁といわれる袋状の花びらが特徴のパフィオ。
そんな唇弁の形から「女神のスリッパ」ともいわれ、学名の「パフィオペディラム」の由来にもなっています。
パフィオには、バラのような派手さはありませんが、優雅でユニークなその姿は、不思議な存在感を放ちます。
個性派ぞろいのパフィオ
パフィオは、その姿から、食虫植物に間違えられることもありますが、実際は東南アジア一帯を原産とするラン科の花です。
パフィオと一言で言っても、かわいらしいものからエキゾチックなものまでその品種は多種多様で、最近当店にやって来たパフィオの顔ぶれも実に個性的。同じ花とは思えないほどです。
左側は、大きくて丸い花を咲かせるサンフランシスコ種。
ウェーブがかった花びらが、何だか80年代アイドルのヘアスタイルを連想させます。女性らしいシルエットと、レモンイエローで可憐な印象です。
一方右側は、ヒョロヒョロと左右に伸びた花びらと、そのストライプ模様が面白いセント・スイシン種です。こちらは、まるで細見の男性がストライプのシャツを着ているようです。
品種によって、男性的にも女性的にも見えるところがパフィオのおもしろさのひとつでもあります。
こちらは、ビア・トーキョウ種。
大きくて丸い花を咲かせるのはサンフランシスコ種と同様ですが、やはりその模様が特徴的。赤紫色の斑点には、毒々しささえ感じますが、なんとも言えない、味のある品種です。
ずっと見ていると、花と目が合っているような、不思議な感覚になってきます。
意外と育てやすいパフィオ
パフィオは、その個性的な姿から扱いづらいように思われがちですが、実は育てやすい花です。
・寒い場所でも平気
パフィオは、東南アジアを原産としますが、洋ランの中でも比較的低温に強く、霜にあたったりしなければ5℃程度の温度でも越冬が可能です。
また、元々日陰で育っていた花なので、弱めの日光を好み、レースカーテンがあるような窓際であれば、室内でも花をつけます。むしろ、温度が高すぎたり、日当たりが良すぎたりすると枯れてしまいます。
(最適な温度は、15℃~25℃です。)
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パフィオの水やり
パフィオは、乾燥にも強いので、毎日水やりをする必要はありません。
表面の土が乾き始めた頃にたっぷりと水を与えましょう。
ただし、受け皿に水が溜まるなど、通気性が悪くなると根腐れの原因になるため、注意が必要です。
多くの愛好家を魅了するパフィオ
じっとこちらを見つめてくるパフィオ達・・・
その表情は実に豊かで、育てやすさも相まってか、たくさんのパフィオ愛好家たちがいるといいます。
パフィオはまさに十人十色。
あなたも自分だけのパフィオを育ててみませんか?